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Claude Sonnet 5.5に乗り換えるべき?|Sonnet 5と同じ依頼で試すと正解は71%から97%に増え、1回の待ち時間は3割長くなった

「Claude で使うAIの種類のひとつ、Sonnet が 5 から 5.5 に新しくなりました。替えると本当に速く、安くなるのか」。AIの新しい版が出るたびに、この疑問で手が止まります。

Claude を作っている Anthropic 社は、2026年9月28日に新しい Sonnet 5.5 を公開し、速くなり費用も安くなったとしています。

先に答えると、金額の「万」の付き方や、支払条件の書き方がばらばらな実務なら、替える価値があります。正解は大きく増えました。文字を書き出す速さは発表どおり速くなりましたが、書く量が増えて、今回の3つの依頼では1回の待ち時間が長くなり、費用も発表と違って増えました。経理で使う小さなプログラムづくり3つを Sonnet 5 と 5.5 に3回ずつ頼み、AIには見せていない正解表で採点した結果を、11月1日に確認した公式情報と並べます。

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先にまとめ

この記事を読むとわかることは、乗り換えの目安と、そのもとになった実測の数字です。AIが書いたプログラムに出した全276問(入力と正しい答えの組)のうち、正解は Sonnet 5 が195問(71%)、Sonnet 5.5 が267問(97%)でした。差が開いたのは、単位や書き方の違いが入る問題です。Sonnet 5 は「3万円」を「3」と読むなどの間違いが多く、5.5 はほとんど間違えませんでした。

文字を書き出す速さは、1秒あたり85.4から133.3トークン(AIが読み書きする文字の単位)に、約1.6倍になりました。ただ 5.5 は出力する量が約2.1倍になり、1つの依頼にかかる時間は平均150秒から199秒に、費用(料金表の単価で計算した参考値)は約0.51ドルから約0.59ドルに増えました。

1回の費用は増えましたが、正解が増えたため、正解1つあたりの費用は0.024ドルから0.020ドルに16%下がりました。問い合わせ20件を4つに分ける簡単な仕事では、出来が同じで、Sonnet 5.5 のほうが時間は約3割短く、費用は5〜12%安くなりました。

乗り換えの目安は、金額の単位や支払条件の書き方がばらばらな実務や例外が入る実務なら替える、簡単な仕分けだけなら急がなくてよい、というものです。測ったのは経理で使う小さなプログラムを書かせた結果と問い合わせの仕分けで、文章の下書きや要約は測っていません。

Sonnet 5.5は、値段は変えずに、速く、同じ仕事の費用も下がるとされる新モデル

Claude には、用途の違う Opus・Sonnet・Haiku という種類があります。Sonnet 5.5 は、複雑な仕事向けの Opus 5.5 に続いて出た、日々の作業向けの種類の新しい版です。発表では、日々の決まった作業やプログラムの不具合の修正を得意とし、答えが1つに決まらず、判断を長く続ける必要がある複雑な仕事は、Opus 5.5 のほうが明らかに強い、と書かれています。

値段は、ほぼ変わりません。AIに読ませる文章(入力)が100万トークンあたり2ドル、AIが書く文章(出力)が10ドルで、Sonnet 5 と同じです(11月1日に公式の料金ページで確認)。トークンは、AIが読み書きする文字の単位です。この単価は、API(自社のシステムから Claude を直接呼び出す使い方)で使うときの料金で、月額プランの料金とは別です。

速さと費用について、発表では次のように説明されています。Sonnet 5 より30%以上速く文字を書き出し、同じ仕事を通常はより少ないトークンでこなすため、1つの作業にかかる費用は最大30%安くなるというものです。費用の数字は、Anthropic が自社の試験で測ったものとされています。

AIがどれだけ時間をかけて考えるかを選ぶ設定を、「考える深さ」と呼びます。発表によると、Claude Code(文字で操作する画面から使うAI開発ツール)と Claude のアプリでの標準は「中」です(英語の設定名は effort です)。この設定の違いも結果に混じりうるので、後で触れます。ここからは、発表の数字が当社の仕事でも当てはまるか、同じ依頼を実際に出したときの結果で確かめます。

その前に、月額プランで使っている会社の疑問を、質問役のマメと答え役のホク(どちらも当社のキャラクターです)の会話で答えておきます。

マメ

うちは8人で、Claude Code を4人が月額のプランで使っています。API は使っていません。この記事は関係ありますか。

ホク

関係はあります。月額プランの料金が変わるという記載は、発表には見当たりません。ただ、待ち時間と、同じ仕事でAIが出力する量は変わりえます。Pro や Max などの月額プランには、5時間ごとと週ごとの利用上限があり、出力が増えれば上限に早く近づく可能性があります。上限への影響は、今回測っていません。

マメ

じゃあ、値段の表のほかに、うちは何を見ればいいですか。

ホク

正解の数と、待ち時間です。費用は API で使う会社が見る数字なので、月額プランの会社は参考にとどめてください。同じ依頼を出して比べた結果を、次の節から書きます。

月額プランだけの場合は? をAIに聞く

試したのは経理で使う小さなプログラム3つ。AIに書かせて、見せていない正解表で採点した

AIに小さなプログラムを書かせ、そのプログラムが正しく動くかを採点しました。3つの依頼は、前に Opus 5.5 の考える深さを比べた記事と同じものです。1つ目は、請求書や領収書から読み取った金額欄の文字(「¥1,234」「5,000円」「3万円」など)を、円の数字に直すプログラムです。2つ目は、「月末締め翌月末払い」のような支払条件と請求日から、土日と祝日を避けた支払期日を出すプログラムです。3つ目は、請求書ごとの税込合計が会計ソフトと合わない不具合を、AIに直してもらう依頼です。

採点は、AIには見せていない正解表で行いました。入力と正しい答えの組を1問と数えます。金額の読み取りは49問、支払期日は30問、不具合の修正は請求書13件の税込合計(1件を1問と数えます)です。3つの依頼で合計92問、3回ずつ出したので276問になります。

測ったのは2026年11月1日の夜です。同じ依頼を、Sonnet 5 と Sonnet 5.5 に同時に出しました。3つの依頼を3回ずつ、2つのモデルで合計18回です。考える深さは指定せず、AIに常に読ませている当社の決めごと(使い方のルールを書いたファイル)をつけたままにしています。考える深さの標準が Sonnet 5 でも「中」かどうかは確認できていません。標準が違えば、その違いも結果に混じっている可能性があります。

費用は、使った量に公式の料金表の単価を掛けた参考値(定価換算)で、月額プランの請求額ではありません。どの依頼も3回ずつしか試していないので、平均の差は目安です。

正解は71%から97%に増えた。万・億・千の単位がつく金額は、Sonnet 5 が3回とも全部間違えた

全276問のうち、正解は Sonnet 5 が195問、Sonnet 5.5 が267問でした。各モデルの9回(3つの依頼を3回ずつ)のうち、全問正解だった回は Sonnet 5 が0回、5.5 が4回です。依頼ごとの内訳は次のとおりです。

3回の結果(Sonnet 5 → 5.5)正解(3回の合計)待ち時間(1回の平均)費用(1回の平均)
金額の読み取り(49問×3回)92問(63%)→ 143問(97%)175秒 → 315秒0.56ドル → 0.81ドル
支払期日(30問×3回)79問(88%)→ 85問(94%)214秒 → 168秒0.67ドル → 0.54ドル
不具合の修正(13問×3回)24問(62%)→ 39問(100%)62秒 → 114秒0.32ドル → 0.43ドル
3課題の合計・平均(276問)195問(71%)→ 267問(97%)150秒 → 199秒0.51ドル → 0.59ドル

差が大きかったのは、金額の読み取りです。Sonnet 5 が書いたプログラムは、「3万円」「1.5万円」のように万・億・千の単位がつく金額8問を、3回とも全部間違えました。「3万円」を3と読んだ回と、金額と認識できず答えを出さなかった回があります。「三万五千円」「金壱万円也」のような漢数字や領収書の書き方の金額は、6問のうち1回あたり0〜1問しか正解できず、マイナス付きの金額も5問のうち2問を間違えました。Sonnet 5.5 が書いたプログラムは、万・億・千の単位と漢数字を全問正解しました。

支払期日では、「末締め翌月末払い」「月末〆」「末日払い」のように書き方の違う支払条件5問のうち、1回あたりの正解は Sonnet 5 が1〜2問、5.5 が3〜4問でした。土日・祝日・振替休日・年末年始の判定は、両方とも全問正解です。つまずきは日付の計算ではなく、支払条件の文字をどこまで読めるかにありました。

5.5 にも取りこぼしはあります。金額の前に言葉がつく書き方(「月額3,000円」「金額:8,800円」「金額 ¥30,000-(税込)」)が、3回で合わせて4問読めませんでした。「20日締め、翌月10日支払い」のように途中に「、」が入り、「支払い」と書く形は、どちらのモデルも3回とも読めませんでした。

Sonnet 5 には別の失敗もありました。不具合の修正の3回目は、何も直さずに13秒で終わりました。別のAIに作業を任せる呼び出しの形の文字(頼む中身は空)を、答えとして書いただけで、別のAIは実際には動いていません。正解は、直す前と同じ13問中2問のままでした。9回中1回だけですが、依頼を出して席を離れる使い方だと、直っていないことに気づかないまま時間が過ぎてしまいます。出来はここまで差が出ました。では、発表にある速さと費用は、手元ではどうだったのかを見ていきます。

文字を出す速さは約1.6倍。出力が約2.1倍に増え、1回の待ち時間は3割長く、費用は15%高くなった

発表にある30%以上速いという説明は、文字を書き出す速さでは当てはまりました。書き出したトークン数を、AIが応答していた時間(待ち時間のうち、AIが答えを書いていた分)で割ると、Sonnet 5 は1秒に85.4、Sonnet 5.5 は133.3で、約1.6倍です。3つの課題のどれでも、5.5 のほうが速く文字を出していました。

9回の平均Sonnet 5Sonnet 5.5
文字を書き出す速さ85.4トークン/秒133.3トークン/秒
1回に書き出した量11,638トークン24,546トークン
確認用のプログラムも自分で作った回(9回中)0回7回
1回の費用(定価換算)0.51ドル0.59ドル
正解1つあたりの費用0.024ドル0.020ドル

一方で、1回の待ち時間は平均150秒から199秒に、3割長くなりました。Sonnet 5 の1回平均11,638トークンに対して、Sonnet 5.5 は24,546トークンと、AIが出力した量が約2.1倍になったためです。作業フォルダを見ると、5.5 は9回中7回、書いたプログラムを試すための確認用のプログラムも自分で作っていました。Sonnet 5 は9回とも作っていません。文字を出す速さが上がっても、書く量が増えたぶん、全体の待ち時間は延びました。

依頼ごとに見ると、結果は分かれます。短くなったのは支払期日だけで、金額の読み取りと不具合の修正は延びました(前の表のとおりです)。不具合の修正は、Sonnet 5 の13秒で終わった回を除くと、Sonnet 5 は87秒、5.5 は114秒で、やはり 5.5 のほうが長くなります。

費用も同じ傾向です。1回の平均は、約0.51ドルから約0.59ドルへ15%増えました。最大30%安くなるという発表の数字は、この3つの依頼では確かめられず、費用はむしろ高くなっています。発表は、同じ仕事を通常はより少ないトークンでこなせると説明しています。今回は Sonnet 5.5 のほうが出来が良く、確認の作業も増えたぶん出力が増えたので、発表と同じ条件の比較にはなりませんでした。

見方を変えて、1回の費用をその回の正解の数で割ると、正解1つあたり0.024ドルから0.020ドルへ、16%下がりました。費用は15%増えましたが、正解が約4割増えたためです。間違いが多いと手直しが要るので、1回の費用より、正解1つあたりの費用のほうが実務に近い数字です。ただし、手直しにかかる時間は含んでいません。

簡単な20件の仕分けでは、出来は同じ。Sonnet 5.5 のほうが時間は約3割短く、費用は5〜12%安い

発表は、Sonnet 5.5 を日々の決まった作業が得意なモデルとしています。そこで、経理の依頼より簡単な、決まった形の仕分けでも差が出るかを試しました。架空の工務店に届いた問い合わせ20件を、「見積」「日程」「不具合」「その他」の4つに分ける依頼です。普段の決めごとや追加の道具は付けず、問い合わせの文だけをAIに渡す最小の形で、各モデルに3回ずつ出しました。同じ指示文を続けて出すと、2回目からは前に読ませた指示文をキャッシュ(使い回しの仕組み)から読み出すので、安くなります。Sonnet 5.5 では、この読み出しの単価が100万トークンあたり0.20ドルから0.10ドルに半額になっています。

20件の仕分け(各3回)Sonnet 5Sonnet 5.5
正解3回とも20件中20件3回とも20件中20件
書き出した量106トークン106トークン
AIが応答していた時間2.3〜2.7秒1.6〜1.8秒
3回のうち1回目の費用0.00713ドル0.00680ドル
同じ指示の2回目以降の費用0.00137ドル0.00121ドル

両方とも全回で正解し、書き出した量も同じでした。AIが応答していた時間(待ち時間のうち、AIが答えを返していた分)は、Sonnet 5 の2.3〜2.7秒に対して 5.5 は1.6〜1.8秒で、約3割短くなっています。費用は、Sonnet 5.5 のほうが、1回目で5%、2回目以降で12%安くなりました。2回目以降の差は、ほとんどがキャッシュの読み出しの半額によるものです。1回目の差は、読み込んだ量が1,517から1,435トークンに減った分です。

この仕分けは1回0.001〜0.007ドルで、経理で使う小さなプログラムは1回0.2〜1.0ドルでした。費用の水準を大きく動かすのは、モデルの差より、仕事の中身(読み込む量と作業の手数)の差です。Claude の小型モデル Haiku 5.5 と Sonnet 5.5 の費用を同じ仕分けで比べた結果は、「Claude Haiku 5.5は何に使う?」の記事に書いています。

乗り換えるかは、仕事の中身で決める。例外や書き方の違いがある実務なら替える

手元の結果から言えるのは、次の3点です。まず、金額の読み取りと不具合の修正では、替えたときに出来が大きく変わりました。支払条件の解釈も、書き方の違う条件で差が出ています(88%から94%)。次に、簡単な仕分けは出来が同じで、替えて得られる差は1回あたり1秒足らず、費用は0.001ドル未満です。替える手間をかけて急ぐほどではありません。最後に、1回あたりの費用や待ち時間は増えることがあります。API で使う会社は、正解1つあたりの費用で比べてください。月額プランの会社は、正解の数と待ち時間を見ます。

i-Style では、替えるかどうかは、モデルの新しさより、自社の仕事で正解がどれだけ増えるかで決めたいと見ています。

測れなかったことも書いておきます。文章の下書きや要約は、正解を決めにくいので測っていません。ほかにも、複雑な判断を長く続ける仕事(発表では Opus 5.5 のほうが強いとされています)、長い作業、長い資料を読ませる仕事、画像、考える深さを変えた比較、システムから API で直接使う方法は、今回の経理の18回と仕分けの6回に含まれていません。

自分の会社で試すなら、まず、普段AIに頼んでいる依頼を1つ選び、正解を先に決めておきます。新旧のモデルに3回ずつ頼み、正解の数、かかった時間、間違えた依頼の中身を1件ずつ書き出します。費用は、使った量に公式の単価を掛けて出し、正解の数で割ります。その依頼を替えてよいかが、数字で見えてきます。替えるには、使っている画面のモデルの選択欄で Sonnet 5.5 を選びます(選べるモデルは、契約のプランや画面で異なることがあります)。

確かめた資料は公式発表と料金ページ、手元の18回と6回

性能・速さ・費用の説明は Anthropic の発表「Introducing Claude Sonnet 5.5」(2026年9月28日)、料金は 公式の料金ページで確認しました(2026年11月1日)。本文は発表の内容を日本語でまとめたもので、一字一句の翻訳ではありません。

経理で使う小さなプログラム3つの18回と、20件の仕分けの6回は、2026年11月1日に Mac mini(macOS)で、Max プランの Claude Code 2.1.316 を使って測りました。18回の費用の合計は、定価換算で9.97ドルです。依頼文には、安全のため、作業するフォルダの外は読み書きしないこと、共有URLの発行や外部への送信をしないことを書きました。月額プランの利用上限は、Claude のヘルプの説明で確認しました(2026年11月1日)。料金・使えるプラン・速さは変わることがあります。契約や切り替えを決めるときは、そのときの公式ページを見てください。

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i-Styleの「まるっとAI」は、AI活用を支援するサービスです。いま使っているAIの依頼を、新旧のモデルで同じ条件で試し比べることと、正解を先に決めて採点すること。この2つから始められます。

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この記事を書いた人

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i-Style のブログを書いています。新しい AI ツールを実際に業務で動かして、条件と数字、 うまくいかなかったところまで載せます。ホクは i-Style の AI キャラクターです。 記事の内容は株式会社i-Style が確認しています。 会社のことは会社概要、 経営についての考えは代表ブログに書いています。