「Opus 5.5 に切り替えると、うちのAI代は本当に下がるのか」。新しいモデルが出るたびに、ここで手が止まります。
Anthropic は2026年9月22日、Claude Opus 5.5 を公開しました。上位の Fable 5.1 並みの力を、Opus 5 より4割安く出すとしています。
先に答えると、値段と速さの面では替えてよいモデルです。ただ、判断の材料にする要約では、落ちる情報がありました。公式の発表と料金表を9月23日に確認し、同じ依頼を Opus 5 と Opus 5.5 に3回ずつ出して比べた結果です。
先にまとめ
Opus 5.5 の料金は、入力が100万トークンあたり4ドル、出力が20ドルです。Opus 5 より2割安く、使う量も減るため、公式は一般的な作業で4割安くなると試算しています。
社内連絡の要約を3回ずつ頼んだところ、時間は平均95秒から61秒に、要約は約4割短くなりました。一方で、社員の意見が途中で変わった経緯は3回とも抜け落ちました。
API でシステムを組んでいる会社は、モデル名を変えるだけでは動かない箇所が4つあります。先に移行ガイドを見てください。
Opus 5.5は、Fable 5.1並みの力を安く出すとされる新モデル
Opus 5.5 は、新しい「Claude 5.5」世代の最初のモデルです。発表では、ほとんどの仕事で Fable 5.1 と同じ水準の結果を出すとしています。文章を書き出す速さも、Opus 5 より3割以上速いとしています。
Claude のアプリ、Claude Code(ターミナルで動かすAI開発ツール)、API のすべてで使えます。変わったのは値段と速さだけではありません。発表は、文章の書き方を大きく直したと書いています。大事なことを先に書き、専門用語を減らし、渡した書き方のルールに従うようにした、という説明です。
同じ世代の Sonnet 5.5 と Haiku 5.5 は「数週間以内」に出る予定で、9月23日の時点ではまだ使えません。i-Style の Claude Code では、発表の翌日に Opus 5.5 を選べることを確かめました。プランごとの提供範囲は、公式ヘルプで確認してください。
マメ
うちは6人で、Claude は月額のプランを3人分だけ払っています。API は使っていません。この話は関係ありますか。
ホク
関係するのは、5時間ごとの利用上限です。Pro・Max・Team などで上限を引き上げると発表されていますが、どれだけ増えるかは書かれていません。月額料金を変えるという記載もありません。
マメ
じゃあ、うちが気にするのは値段より何ですか。
ホク
返ってくる文章の中身です。短く速くなったぶん、何が残って何が落ちたか。料金の話のあとに、同じ依頼で比べた結果を書きます。
料金は入力4ドル・出力20ドル。4割減は使う量が減るぶん込み
月額プランについて発表が触れているのは、利用上限です。Pro・Max・Team と、席数で契約する Enterprise のプランで、5時間ごとの上限を引き上げるとしています。引き上げ幅と、月額料金を変えるかどうかは書かれていません。ここから先の単価は、API で使う場合の話です。
API の料金は、Opus 5 から次のように下がりました。9月23日に公式の料金ページで確認した数字です。
| 100万トークンあたり | Opus 5.5 | Opus 5 |
|---|---|---|
| 入力 | 4ドル | 5ドル |
| 出力 | 20ドル | 25ドル |
| キャッシュの読み出し | 0.20ドル | 0.50ドル |
| キャッシュの書き込み | 5ドル | 6.25ドル |
単価だけを見ると、下がったのは2割です。発表の「4割安い」は、1つの作業で使う量が減るぶんを足した試算で、一般的な作業を既定の設定で回したときの数字とされています。
いちばん大きく下がったのは、キャッシュ(一度読んだ内容を使い回す仕組み)の読み出しで、6割安くなりました。AIに長い作業を続けさせる使い方では、費用の大半がここにかかります。同じ資料を何度も読ませる使い方ほど、差が大きく出ます。
速さを優先する「高速モード」も、Claude Code と API で使えます。速さは最大2.5倍で、料金は入力8ドル・出力40ドルと通常の2倍です。急ぐ作業にだけ使う設定と考えてください。値段の次は、同じ依頼を出したときに何が変わるかです。
同じ依頼を3回ずつ頼むと、時間は約3分の2、要約は約4割短くなった
試したのは、社員5人の工務店の社内チャット7件(架空)を、出張中の社長がスマホで読む前提でまとめる依頼です。見積ソフトを替えるかどうかの相談で、期限・金額・現場の都合が入り混じっています。
条件は、Claude Code 2.1.280 のコマンド実行で、i-Style の普段の設定を入れた状態です。9月23日の朝に、Opus 5、Opus 5.5 の順で3回ずつ出しました。考える深さは指定していません。公式の移行ガイドによると、API での考える深さの既定は、Opus 5 が「高」、Opus 5.5 が「中」です。この差も結果に入っている可能性があります。
| 平均 | Opus 5 | Opus 5.5 |
|---|---|---|
| かかった時間 | 95秒 | 61秒 |
| 書き出した量(トークン) | 4,241 | 2,829 |
| うち考える部分 | 1,776 | 641 |
| 定価で換算した費用 | 0.63ドル | 0.39ドル |
| 要約の長さ(Opus 5 は読めた2回) | 745字 | 464字 |
費用は Claude Code が表示する定価換算の見積もりで、実際の請求額ではありません。月額プランの枠内で動かしたためです。1回ごとには0.17〜0.81ドルと幅があり、平均の差は目安として見てください。
要点の拾い方は、読めた5回とも同じでした。9月30日の更新期限、1年契約で途中解約できないこと、10月8日締切の見積と移行作業の重なり、「年5万円安い」が何と比べた額か分からないこと。この4点はどの回も書いています。
差が出たのは書式です。i-Style では「見出しに記号の■を使い、太字や#の見出しを使わない」というルールをAIに渡しています。Opus 5.5 は3回とも守り、Opus 5 は読めた2回とも#の見出しで書きました。発表の「渡したルールに従う」は、この範囲では当たっていました。
短くなったぶん、意見が変わった経緯は3回とも落ちた
チャットの中で、現場の担当者は最初「今のソフトのままでいい」と言い、あとで「10月8日以降なら替えてよい」に変わっています。Opus 5.5 の要約は3回とも、あとの意見だけを書きました。Opus 5 は読めた2回のうち1回で、考えが変わったことまで書いています。
社長が読む要約として、経緯まで書いたほうが正しいとも、今の意見だけのほうが正しいとも言えません。結論を急ぐなら今の意見だけで足ります。ただ、反対していた人が条件つきで折れた、という流れは、判断の重みを変える情報です。短さと引き換えに、こうした経緯が消えることがあります。
テストの作りにも失敗がありました。Opus 5 の2回目と3回目が同じ名前でファイルを保存したため、2回目の要約は上書きされて読めていません。また、回によっては外部の校正ツールを挟むなど手順が違い、時間の差はモデルだけの差ではありません。依頼も1種類だけで、ほかの仕事で同じ差が出るかは分かりません。ここまでが出来上がる文章の話で、次は API でシステムを組んでいる会社に関わる変更です。
APIで組んでいる会社は、使い方によって4か所でエラーになる
ここから先は、API で Claude を呼んでいる会社向けです。当てはまらなければ、まとめへ進んでください。自社のシステムや外注したツールから API で呼んでいる場合は、モデル名を claude-opus-5-5 に変えるだけでは動かないことがあります。公式の移行ガイドが挙げている変更は4つです。
1つ目は、考える機能を切れなくなったことです。切る指定を送るとエラーが返り、代わりに「考える深さ」を低めに指定します。2つ目は、特定の道具(ツール)を必ず使わせる指定が使えなくなったことです。
3つ目は、会話の途中で前の指示や履歴を書き換えると、エラーになる場合があることです。対象は2026年8月31日以降に作った API アカウントです。4つ目は、画面を操作させる機能の古い指定が、Claude の API と Google Cloud で使えなくなったことです。
マメ
問い合わせの自動返信を、外注先に API で作ってもらいました。社内に中身を読める人はいません。何を頼めばいいですか。
ホク
まず、どのモデル名で動いているかを聞いてください。移行ガイドの4項目は、モデル名を Opus 5.5 に変えたときに起きる変更です。切り替える前に、この4項目に当たるかを確かめてもらってください。
外注している場合は、この4点に当たるかを先方の担当者に確かめてもらってください。社内で Claude Code を使っていれば、/claude-api migrate という命令で、書き換えと確認項目の一覧づくりを任せられます。公式の移行ガイドに書かれている方法です。書き換える範囲は、実行の前に聞かれます。
まとめ:乗り換えるかは、返ってくる文章を読んで決める
値段と速さの面では、Opus 5 から替えない理由は見当たりません。単価が下がり、手元の比較でも時間と量が3〜4割減りました。Pro・Max・Team と、席数で契約する Enterprise のプランでは、5時間ごとの利用上限も引き上げられました。
i-Style で確かめたのは、社内連絡の要約1種類を3回ずつ比べたところまでです。この結果から言えるのは、顧客に出す文書や判断の材料になる要約ほど、切り替えた最初の数回は前のモデルの出力と読み比べてから任せるほうが安全だということです。短く読みやすくなったぶん、経緯や前提が落ちることがあるためです。
自社サイズの一歩としては、普段AIに頼んでいる依頼を1つ選び、新旧のモデルで3回ずつ出してみることです。字数と時間に加えて、抜けた情報を1行ずつ書き出すと、どの仕事から替えてよいかが見えてきます。
確かめた資料は公式発表・料金表・移行ガイドと、手元の6回
性能・速さ・安全性・利用上限の引き上げは Anthropic の発表「Introducing Claude Opus 5.5」、料金は 公式の料金ページ、APIの変更点は 移行ガイド「Migrating to Claude Opus 5.5」 で確認しました(2026年9月23日)。本文の日本語は原文の要約で、逐語訳ではありません。
比較の6回は、同じ日に macOS の Claude Code 2.1.280 で測ったものです。料金・提供範囲・利用上限は発表直後で変わることがあります。契約や移行を決めるときは、そのときの公式ページを見てください。
i-Styleに相談する
i-Styleの「まるっとAI」では、AI活用支援のひとつとしてお手伝いできます。いま使っているAIの依頼を新しいモデルで試し比べること、API で動いている仕組みの切り替えを確かめること。この2つから始められます。
お問い合わせページへ arrow_forward相談するほどではない段階なら、右下のチャット窓口で「どの依頼から新しいモデルで試すか」を決めるところからでも十分です。