Grok Bot に X の調べものを任せたのに、返ってきたのは他人の引用や返信ばかりで、元の投稿が見当たらない。そんな経験をした担当者は、少なくないはずです。
引用や返信を除くには、依頼文に「-filter:quote -filter:replies -filter:retweets」と書き添えます。i-Style では10月15日の朝に、書き添えない場合と、いいね30以上の足切りとあわせて書き添えた場合を、2回ずつ比べました。書き添えない2回は、引用が6件と8件、返信が9件と4件混ざり、書き添えた2回は、引用も返信も0件でした。
Grok Bot は10月7日に、X を直接検索して、1回の依頼で100件を超える投稿を分析できるようになったと報じられました。ただし、i-Style が手元で試した X 検索ツールでは、直近1時間の投稿や閲覧5万以上のような条件で、該当する投稿を1件も得られませんでした。いつも同じ結果になるとは限らず、2回ずつの比較です。
先にまとめ
除外の条件は、依頼文に X の検索の書き方で添えます。除外の3条件に、いいね30以上の足切りを合わせて添えた2回は、引用も返信も0件でした。除外の条件だけを足した場合は、分けて測っていません。返ってきた件数は5件と15件でぶれました。
「直近1時間」と「閲覧5万以上」は、2回とも該当なしでした。時間の絞り込みは働いたように見えます。閲覧数で絞る条件は、X の公式な検索条件の一覧になく、効いたかどうかは確かめられていません。
Grok Bot の X 検索は、公開されている投稿を読むだけで、X のアカウントをつながなくても使えます。1日の上限や1回に読める件数は、公式の文書に数字が見当たりませんでした。
試したのは、Grok Bot のアプリではなく、xAI が開発者向けに出している X 検索ツールです。
除外の条件は、依頼文に X の検索の書き方で添える
xAI の文書によると、X 検索ツールは4つの機能を持ちます。キーワード検索、意味での検索、ユーザー検索、スレッドの取得です。このうちキーワード検索は、X の詳細検索の書き方に対応しています。用意されているパラメータは、投稿者の指定と除外、期間、画像と動画の理解だけで、引用や反応数で絞る項目はありません(X Search の文書)。
マメ
うちは3人の会社で、競合の新商品への反応を、毎朝 X で調べたいと思っています。Grok Bot に頼むと、誰かの引用や返信ばかりが並びます。元の投稿だけにできますか。
ホク
手元の2回では、除外の条件を依頼文に添えると、引用も返信も混ざりませんでした。数は下の表にあります。ただし、2回では足りません。
マメ
閲覧数が多いものだけ、という指定もできますか。
ホク
閲覧数の条件は、X の公式な検索条件の一覧にありません。手元の2回は、どちらも該当なしでした。いいね数での足切りは効いたので、まずはそちらを使うのが現実的です。
除外の条件は、検索の書き方として依頼文に添えます。引用や反応数で絞る項目がないので、実際の検索語を組み立てるのは、Bot 側のモデルです。依頼文に貼るのは、各行の「今回は」のあとに書いた表記だけでかまいません。X の API の文書では、同じ条件でも名前が違います。
- 引用投稿を除く: 今回は -filter:quote、API の文書では -is:quote
- 返信を除く: 今回は -filter:replies、API の文書では -is:reply
- リポストを除く: 今回は -filter:retweets、API の文書では -is:retweet
- いいねが30以上: 今回は min_faves:30、API の文書では min_likes:30
API の文書にある反応数の条件は、いいね・返信・リポストの3種類で、閲覧数(インプレッション)の条件は検索条件の一覧に載っていません。画面の検索にある min_faves は、API では使えません。今回の検索ツールでは、min_faves:30 でいいね30以上の足切りが効きました。
手元で比べた結果は、引用と返信が消えて、件数がぶれた
i-Style では、10月15日の朝(日本時間)に試しました。xAI が開発者向けに出している X 検索ツールを、Grok の契約枠から呼びました。モデルの表示は grok-4.20-reasoning、期間は10月12日から10月16日です。期間は日付だけで指定でき、基準は世界協定時刻(UTC)で、日本時間より9時間遅れます。のちの直近1時間の試しでは、日本時間の朝に開始日を 2026-10-15 にすると未来の日付として弾かれたので、10月14日にしました。Grok Bot の X 検索と同じものかは、公式の文書では確かめられていません。
依頼は「Grok Bot や Grok の使い方について、日本語で書かれた投稿を最大25件。投稿者・URL・いいね数・引用投稿かどうかを付けて一覧にして。」です。条件ありの方には、これに「検索は -filter:quote -filter:replies -filter:retweets min_faves:30 の条件を使い、引用投稿・返信・リポストを含めず、元の投稿だけにして。」と添えました。それぞれ2回ずつ、返ってきた投稿を1件ずつ開き、引用投稿か、返信か、いいね数はいくつかを数えました。
| 依頼 | 回 | 返った投稿 | 引用投稿 | 返信 | いいね30未満 |
|---|---|---|---|---|---|
| 条件なし | 1回目 | 20件 | 6件 | 9件 | 15件 |
| 条件なし | 2回目 | 16件 | 8件 | 4件 | 10件 |
| 条件あり | 1回目 | 5件 | 0件 | 0件 | 0件(最小58) |
| 条件あり | 2回目 | 15件 | 0件 | 0件 | 0件(最小31) |
やってみると、条件なしでは、返ってきた投稿の3割から5割が引用で、返信も2割台から4割台で混ざっていました。調べものに使うなら、元の投稿を探す手間が残ります。条件ありの2回は、引用も返信も0件で、いいね30以上の足切りも守られていました。
件数は減りました。25件を頼んでも、条件に合う投稿が少なければ、返るのは5件にとどまります。同じ依頼でも2回目は15件で、3倍の差が出ました。1回の結果だけで「その話題の元の投稿は5件しかない」とは言えません。
うまくいかなかったこと:直近1時間・閲覧5万以上は、2回とも該当なし
「直近1時間」は、日付の指定では書けないので、依頼文で頼むしかありません。そこで「直近1時間以内に投稿された、AI関連の日本語の元投稿(引用・返信・リポストは除外。-filter:quote -filter:replies -filter:retweets)で、インプレッションが5万以上のものを最大25件。URL・投稿日時・インプレッション数を付けて一覧にして。」を、2回頼みました(UTC の10月14日23時42分、日本時間の8時42分)。回答は2回とも、閲覧5万以上の条件に合う投稿は「見つかりませんでした」でした。
回答の中身を読むと、時間の絞り込みは働いたように見えます。2回目の回答は、開始日を指定したうえで22時40分以降に狭めたと書いていて、返ってきた投稿はどれも直近数分以内のものでした。1回目の回答は、閲覧11.3万の投稿を例に挙げましたが、投稿時刻が直近1時間より前だと自分で断っていました。
閲覧数の方は、確かめられませんでした。2回目の回答は、閲覧数の下限を指定して検索したと書いていますが、この項目は公式の文書にありません。効き方は分からず、5万に届く投稿が実際に無かったのか、探せなかったのかも、この2回では切り分けられていません。1回目の回答は、直近1時間で最も高い投稿でも4.7万ほどだったと書いています。朝の時間帯だったことも、影響した可能性があります。
数人の会社が同じことをやるなら、条件を貼って最初の1週間だけ確かめる
競合や自社の評判を毎朝集めるときに、3人から5人の会社が実際に手元で使う手順を考えます。手順は4つです。
依頼文のひな型(今回試した条件ありの依頼。話題の部分だけ入れ替えます)
<調べたい話題>について、日本語で書かれた投稿を最大25件。投稿者・URL・いいね数・引用投稿かどうかを付けて一覧にして。検索は -filter:quote -filter:replies -filter:retweets min_faves:30 の条件を使い、引用投稿・返信・リポストを含めず、元の投稿だけにして。
1つ目は、このひな型を依頼文に貼ることです。2つ目は、最初の1週間だけ、返ってきた投稿を数件開いて、引用や返信が混ざっていないかを確かめ、返ってきた件数も控えておくことです。今回の2回では混ざりませんでしたが、2回では足りません。
3つ目は、足切りをいいね数にして、閲覧数での絞り込みは頼まないことです。期間は日付で指定し、日本時間の朝に調べるなら前日を開始日にします。4つ目は、毎朝の実行を Grok Bot の定期実行に任せる場合です。公式の文書では、定期実行は5分以上あけて設定し、1つの Bot に最大50個まで持てます。定期実行に入れても同じ結果になるかは確かめていないので、最初の1週間の確認は、定期実行の結果でも行います。
Grok Bot の X 検索は公開の投稿を読むだけ。1日の上限は公式の文書に見当たらない
公式の文書の「Search and read X」は、Bot は X のアカウントをつながなくても、公開されている投稿を検索して読めると書いています。できることは、投稿の検索、リンクからの投稿の表示、アカウントの投稿とメンションの読み取り、引用やリポストをした人の確認、話題の投稿数の集計、トレンドとニュースの確認です。読み取り専用で、利用者本人としてログインはしません。調べものだけなら、X のプラグインは要りません。
回数の上限は、公式の文書では見つかりませんでした。Grok Bot の文書と X 検索ツールの文書を、1日・上限・件数の語で調べましたが、X 検索の上限を示す記述はありませんでした(2026年10月15日)。報道にある「100件を超える」は、1回の依頼で分析できる量の目安で、上限の数字ではありません。第三者の記事に1日1,000の読み取りという数字がありますが、出どころが示されていないので使いません。
Grok Bot のアプリ本体とアプリ内の課金は確かめていない
Grok Bot のアプリでは試していません。10月8日の別の記事で確かめたとおり、デスクトップ版(0.56.1)は画面の読み取りを受け付けず、新しい依頼を出せませんでした。10月15日には再確認していません。
アプリ内での課金と、条件ありで件数が増減する理由も、確かめていません。開発者向けの API では、X 検索は取得した投稿1,000件あたり5ドルで、親の投稿と引用元の投稿も数えます(料金表。2026年9月21日からこの形)。引用を除く条件が課金の対象になる件数をどれだけ減らすかは、数えていません。
引用や返信が混ざる割合は、今回の4回では上の表のとおりでした。ほかの話題や日で同じ割合になるかは、確かめていません。本文の公式の記述は、2026年10月15日に docs.x.ai と docs.x.com で確認した内容です。検索条件の名前や料金は、変わることがあります。
参考にした公式情報と報道
公式の文書「Grok Bot: Use the computer and apps」(Search and read X)
公式の文書「Grok Bot: Tag @bot on X」(X プラグインの説明)
公式の文書「Tools: X Search」(パラメータ・4つの機能・課金)
公式の文書「Tools: Usage details」(取得した投稿ごとの課金に変わった日)
公式の文書「Grok Bot: Skills and routines」(定期実行の間隔と個数)
X の公式文書「Search operators」(is:quote・min_likes など)
報道「Grok Bot gains native X search, analyzing more than 100 posts per prompt」(2026年10月7日)
第三者の記事「Grok Bot's New Model Routing」(1日1,000の読み取りという記述。数字の出どころは示されていない)
i-Styleに相談する
i-Styleの「まるっとAI」では、AI活用支援のひとつとしてお手伝いできます。始めやすいのは次の2つです。1つは、X で競合や自社の評判を毎朝集める仕事を、どこまでAIに任せ、どこで人が確かめるかを一緒に決めること。もう1つは、集めた投稿を社内でどう使うかの決まりを作ることです。
お問い合わせページへ arrow_forward相談するほどでもなければ、右下のチャット窓口で「X で競合の反応を毎朝集めたい」と聞くところからでも十分です。