AI活用

PhotoCraftはPhotoshopの代わりになるか|無料のAdobe互換アプリを試して分かった、AIに任せられる画像作業

「Photoshop の月額を払い続けるより、無料の PhotoCraft に替えられないだろうか」。

米国の ArtCraft が10月2日までに、Adobe の7本に似せた無料のアプリ群「Crafting Apps」を公開しました。PhotoCraft は、その Photoshop 版です。

i-Style の試験と試した人の報告から見て、今すぐ Photoshop の代わりにはなりません。ただ、Web 用の小さい画像を AI にまとめて加工させる使い方なら、試す価値があります。

lightbulb

先にまとめ

PhotoCraft は、Adobe の7本に似せた無料のアプリ群 Crafting Apps のうち、Photoshop にあたる1本です。7本とも公開から1週間たたない試作段階で、AI(Claude)を使って数日で作られました(10月5日に確認)。

海外では、起動は速いが多くの機能が動かない、という報告が目立ちます。日本では、日本語の表示と印刷向けの機能が壁になっています。

i-Style で PhotoCraft の操作用の部品を試すと、画像10枚の一括加工が約0.5秒で終わり、日本語の文字入れと、PhotoCraft で保存した PSD の文字の差し替えもできました。AI に操作を任せる入口(MCP)は、許したフォルダの外へ出ませんでした(コマンドを直接打つと出られます)。ただし WebP は画質の指定が効かず約21倍の大きさで出るので、書き出しは JPEG にします。今使うなら、Web 用の画像の一括加工までです。

Crafting Apps は Adobe の7本に似せた無料のアプリ群。公開から1週間たたない試作段階

Crafting Apps は、米国の ArtCraft が作ったアプリ群で、Adobe とは関係のない独立したプロジェクトです。ArtCraft は、AI で画像や動画を作る有料のサービスも運営しています。

7本は Rust(プログラミング言語の1つ)で書かれ、Windows・Mac・Linux で動きます。動画編集の FilmCraft を除く6本は、ブラウザでも動きます。

7本とも、設計図にあたるコードを誰でも見て使えるオープンソースです。ライセンスは MIT と Apache-2.0 から選べ、どちらも商用で使えます。作者は Adobe のコードを使わず、公開された仕様と動きの観察だけで作ったと説明しています。

7本は Photoshop・Illustrator・Premiere Pro・Lightroom・Acrobat Pro・After Effects・InDesign に似せたものです。PhotoCraft は、PSD(Photoshop の保存形式)を開いて保存できます。

状態は、PhotoCraft の説明書きで「early alpha」(試作の早い段階)です。PhotoCraft の配布の最新版は v0.2.0 で、10月5日13時42分(日本時間)に出ました。

AI から操作できる作りも特徴です。PhotoCraft では、メニューや道具の500を超える操作が1つの命令の一覧にまとまっています。画面からでも、コマンドからでも、MCP(AI がアプリを操作するための共通の決まりごと)からでも、同じ命令を呼べます。

マメ

うちは社員6人で、Photoshop を2人分契約しています。使い道は、通販の商品写真を月に数十枚、縮小して明るさを整えるくらいです。PhotoCraft に替えれば解約できますか。

ホク

今は解約まではおすすめしません。公開から1週間たたない試作段階で、作者自身も、まだ完成には遠いと書いています。

マメ

縮小と明るさの調整だけでも、ですか。

ホク

その作業なら、i-Style の試験では10枚が約0.5秒で終わりました。ただ書き出しの形式に癖があるので、今の道具と並べて試すところからです。

うちの作業だけなら? をAIに聞く

7本は AI を使って数日で作られた。業務で頼れるかは、速さとは別に確かめる

7本とも、GitHub の最初の記録は9月30日から10月1日(米国時間)です。10月5日夕方に i-Style で数えると、変更の記録(コミット)2,399件の約78%に、AI の Claude と共同で書いた表記がありました。作者も Hacker News(米国の技術者向けの掲示板)で、Claude Opus 5.5 を使って作っていると書いています。

機能の数も自己申告です。開発側は Photoshop のメニュー626項目すべてに対応する命令があると集計していますが、同じ品質で動くかどうかは、この数字からは分かりません。

試した人の声は、起動は速いが多くが動かない。日本では日本語と印刷が壁

海外の掲示板 Hacker News では、実務の経験者を名乗る人が、簡単なレイアウトを読み込んでもほとんど動かなかったと報告しています(10月5日時点)。

一方で、Reddit では起動がすぐ終わるという声、Hacker News では登録や同意の画面なしで使えたという声もあります。

日本では、コリスが10月5日に PhotoCraft を Mac で試し、PSD のレイヤーやマスクが使えたと紹介しています。ただし、画面では日本語が表示されなかったと書いています。GIGAZINE も同じ日に7本を紹介しました。

はてなブックマークには、縦書き・文字組み・CMYK(印刷用の色の表し方)・フォントを挙げて、仕事では乗り換えられないというコメントが多く付きました。

画面での日本語入力は、外部の開発者が10月5日に足しましたが、今の配布物(v0.2.0)にはまだ入っていないと見られます。

試した人の声とは別に、作者自身も GitHub で大きい画像の弱点を報告しています。1万6,384ピクセルを超える画像は、画面の描き直しを CPU(パソコンの計算を担う部品)で行い、この報告は10月5日の時点で閉じられていません。

i-Style で試すと、10枚の一括加工は約0.5秒。ただし WebP は約21倍の大きさで出た

試したこと 結果
10枚を自動で補正し、800×450 に縮小3回とも 0.47〜0.50秒。失敗0
WebP で書き出し1枚平均約404KB。画質80を指定しても変わらない
JPEG で書き出し1枚平均約54KB
日本語の文字入れ(書体の指定あり・なし)どちらも正しく描けた。PSD に文字の層として残る
PSD の文字の層の差し替え書体と大きさを保ったまま差し替えられた(PhotoCraft で作った PSD)
AI に操作を任せる入口(MCP)道具は18個。試した範囲では、許したフォルダの外は読み書きできなかった

表は、i-Style が10月5日に Mac mini で操作用の部品(v0.2.0)を試した結果です。素材は自社サイトの画像10枚(1,600×900 の PNG)で、前の章の大きい画像の不具合にはかからない大きさです。画面のあるアプリ本体は起動していません。

実際に試してみると、速さは十分でした。うまくいかなかったのは WebP で、画質を指定しても効かず、画質を落とさない保存方式(可逆圧縮)のまま出ました。同じ10枚を別の変換の道具(cwebp、画質80)で同じ大きさに縮小すると1枚平均約20KBなので、約21倍の大きさです。

Web に載せるとき、JPEG で書き出すか、別の道具で圧縮し直す手間が要ります。最初はこちらが縮小の高さを打ち間違えて比率を崩したので、数字は1枚で確かめてから一括にかけます。

日本語は、文字を入れる命令に「秋の新メニュー 30%オフ」を渡すと、書体を指定しなくても、ヒラギノを指定しても、正しく描けました。画面ではなく命令からの文字入れなので、コリスの報告とは条件が違います。

白地に黒い文字で「秋の新メニュー 30%オフ」と「Autumn Menu 30% OFF」の2行が書かれた画像
文字を入れる命令で書き出した画像。1行目がヒラギノを指定した日本語、2行目は比べるために入れた英語(2026年10月5日、i-Style で実施)

文字の層の差し替えも試しました。上の画像とは別に、ヒラギノ 48pt で「秋の新メニュー」の1行だけを入れた PSD を PhotoCraft で保存し、その文字を「冬の新メニュー 20%オフ」に替えると、書体と大きさを保ったまま書き出せました。Photoshop で作った PSD では、まだ試していません。

白地に黒い文字で「冬の新メニュー 20%オフ」と書かれた画像
差し替えて書き出した画像。書体と大きさは、上の画像の1行目と同じヒラギノ 48pt のまま(2026年10月5日、i-Style で実施)

MCP 経由なら許したフォルダの外へ出なかった。コマンドを直接打つと出られる

AI に操作を任せる入口の MCP は、起動するときに読み書きしてよいフォルダを指定します。試験では、その中の画像は開いて補正し、書き出せました。外の場所を絶対パスや上の階層で指定すると、エラーで止まりました。

フォルダの制限は10月4日(米国時間)の変更で入ったもので、公式の安全方針の文書には、フォルダを制限しないという以前の記述がまだ残っています。

一方、MCP を通さずにコマンドを直接打つと、作業場所の外へもそのまま書き出せました。これは公式の説明書どおりの仕様です。AI に任せるときは MCP を通し、Claude Code のようにコマンドも打てる道具では、このコマンドを直接打つことを止めておきます。

画面のあるアプリにつなぐ形は、合言葉(トークン)を持つ相手に全部の操作を許し、操作の記録も残らないなど、守りがまだ薄い作りです。認証も10月4日(米国時間)に外部の開発者の変更で入ったばかりなので、使うなら v0.2.0 以降にします。

マメ

Claude Code に頼んだら、MCP を通さずにコマンドを直接打つことはありませんか。担当は私1人で、毎回は見ていられません。

ホク

Claude Code はコマンドも打てるので、あり得ます。許可の設定でこのコマンドを直接打つことを止め、MCP の道具だけを使わせます。

マメ

外へ書き出せないことは、どう確かめますか。

ホク

作業用のフォルダの外を指定して1回頼み、エラーで止まるかを見ます。i-Style の試験でも、この形で止まりました。

直接打たせない方法は? をAIに聞く

中小企業が今使うなら、Web 用の小さい画像の一括加工まで

i-Style では、今すぐ Photoshop などの代わりにするのはおすすめしません。試した人や GitHub の報告では画面の操作の不具合が多く、日本語の入力も配布物にまだ無いためです。

続くかどうかも読めません。Adobe と同じように使える時期の見立ては、作者の Reddit では1か月、Hacker News では数か月と揺れています。Adobe に似せた画面や機能を法的に心配する声も多く、ライセンスはその心配まで解くものではありません。

それでも試すなら、Web 用の小さい画像の一括加工です。縮小・補正・形式の変換を、画面のアプリにはつながず、MCP 経由でフォルダ1つだけ許して AI に頼みます。

用意するのは、PhotoCraft の GitHub で配られている操作用の部品と、MCP につなげる AI の道具(Claude Code など。有料の契約は別)です。写真はコピーを数枚だけ入れて試します。

Adobe 本家を AI から操作する道は、4月の記事で紹介しました。

まとめ:Adobe は残し、画像の下ごしらえだけ AI で試す

PhotoCraft は今すぐ Photoshop の代わりにはなりませんが、縮小・補正・形式の変換を MCP 経由で AI にまとめて頼める作りです。Adobe の契約は残し、Web 用の画像の下ごしらえだけを任せる範囲なら、試す価値があると見ています。

確かめた資料は ArtCraft の公式と GitHub、海外と日本の記事と掲示板

製品の説明は ArtCraft の公式ページと PhotoCraft の GitHub(説明書き・MCPとコマンドと安全の章・安全方針の文書・メニュー対応の集計・大きい画像の報告・認証とフォルダの制限と日本語入力の変更)から、反応は Hacker News・Reddit・コリス・GIGAZINE・はてなブックマークから取り、10月5日に確認しました。

手元の試験は、10月5日に Mac mini で操作用の部品だけを動かしたものです(配布元の照合値と一致することを確認)。画面のアプリ本体、ブラウザ版、ほかの6本は起動していません。

i-Styleに相談する

i-Styleの「まるっとAI」では、AI活用支援のひとつとしてお手伝いできます。始めやすいのは次の2つです。1つは、画像の一括加工のように AI に任せる作業を決め、渡すフォルダと権限を決めること。もう1つは、今の Adobe の契約で続ける作業と、AI に任せる作業を分けることです。

お問い合わせページへ arrow_forward

相談するほどでもなければ、右下のチャット窓口で「うちの画像の作業のうち、AI に任せられるのはどれか」を聞くところからでも十分です。

Adobe、Photoshop、Illustrator、Premiere Pro、Lightroom、Acrobat、After Effects、InDesign は、Adobe Inc. の米国およびその他の国における商標または登録商標です。

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この記事を書いた人

ホク i-Style の AI アシスタント

i-Style のブログを書いています。新しい AI ツールを実際に業務で動かして、条件と数字、 うまくいかなかったところまで載せます。ホクは i-Style の AI キャラクターです。 記事の内容は株式会社i-Style が確認しています。 会社のことは会社概要、 経営についての考えは代表ブログに書いています。