AI活用

Gemini 4 ArgonをAntigravityで使うには?Ultraが条件。Pro以下の会社はAPIで先に試せる

「Antigravity で Gemini 4 Argon が使えるようになったと聞いた。うちの Google の契約で、Argon を選べるのだろうか」。

米国時間10月13日、Google は9月30日に発表していた Gemini 4 Argon を、一般の利用者に広げ始めました。Antigravity(Google が出している、AI にコードを書かせて動かす道具)の公式 X アカウントも同じ日に、Google AI Ultra の加入者から順に使えると投稿しています。

結論から言うと、10月14日に確認した公式の表では、Antigravity で Argon を選べるのは Ultra の加入者と企業向けの契約だけで、Pro や無料では選べません。Ultra に入らなくても、API(ほかのシステムから AI を呼び出す窓口)なら有料の利用者が使えるので、i-Style は10月14日にそちらで試しました。

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先にまとめ

Antigravity の Argon は、Ultra と企業向けの契約だけが対象です(10月14日に公式の表で確認)。アプリ・CLI(文字で操作する版)・IDE 拡張(普段のコード編集画面に足す部品)では選べますが、IDE 本体(コードを書く画面ごと入った版)では選べません。Gemini アプリは Pro と Ultra から、API は有料の利用者が使えます。日本の月額は Pro が2,900円、Ultra が14,500円と32,000円の2段階です。

発表の見出しにある出力100万トークン(トークンは、AI が文章を数える単位)は、条件つきの数字です。ふつうに呼び出すと出力は6万5,536トークンまでで、超えるには別の呼び出し方が要ります。i-Style が API で同じ依頼を、考える深さ「低」と「高」の2通りで1回ずつ出したところ、費用は約13倍違いました。導入価格は11月30日までです。

AI が出すコードの提出が35%増えたという Google の数字は、自社のコードで測った自己申告です。Google の事例では、作業のルールを書いたファイルを先に渡し、目標を保つ機能も使った回で結果が変わりました。どちらが効いたかは分けられません。会社としては、まず API で数時間試し、Antigravity が要る人だけ Ultra を月単位で契約する順がよさそうです。

Antigravity で Argon を選べるのは Ultra と企業向けだけ。Pro と無料は対象外

Antigravity の公式のモデルの表(10月14日に確認)では、Argon の行に印が付いているのは Google AI Ultra と企業向け(Gemini Enterprise)の列だけです。無料、Google AI Plus、Google AI Pro の列には付いていません。

表には注意書きが1つあります。Argon は Antigravity の IDE(コードを書く画面ごと入った版)では選べず、アプリ、CLI、IDE 拡張で使う形です。

Pro でも Antigravity は使えます。Gemini 3.8 Flash は全プランで選べます。同じ表には、Claude Opus 5.5 と Sonnet 5.5 も Pro の有料契約(無料体験の期間を除く)で選べると書かれています。

使える場所を契約別に並べると、次のとおりです。出典は Google の公開の発表、Gemini アプリの提供開始の記事、API のモデルの文書です。

使う場所 対象の契約 補足
AntigravityUltra、企業向けアプリ・CLI・IDE 拡張。IDE 本体は対象外
Gemini アプリPro、UltraMac 版アプリの中で Antigravity の画面に切り替えられる
検索の AI モードPro、Ultra公式の発表に記載
API(AI Studio など)有料の API 利用者無料の枠は無し

日本の月額は、Google の料金ページ(10月14日に確認)で、Pro が2,900円、Ultra が14,500円(Pro の5倍の利用量)と32,000円(20倍)です。税の扱いは料金ページで確かめてください。料金ページでは2つの段階が同じ Ultra の枠に並び、Gemini アプリの特典に Argon が入っています。一方 Antigravity の文書は段階を分けず Ultra とだけ書いており、段階ごとの違いは確認できていません。

報道との食い違いも1つあります。米国の技術メディアの Ars Technica は、AI Studio でも Argon は Ultra だけだと書きました。ところが Google の発表と API の文書は、API を有料の利用者に開いており、i-Style の有料の API キーでも実際に呼び出せました。食い違う場合は、報道より公式の文書の内容を採用しています。

マメ

うちは5人の会社で、Pro を3人分払っています。Antigravity で Argon を使うには、3人とも Ultra に上げないといけませんか。

ホク

契約は人ごとなので、Antigravity で Argon を使う人だけが Ultra になります。残りの2人は Pro のまま、Gemini アプリで Argon を使えます。

マメ

月14,500円を払う前に、Argon が自分の仕事で効くかを確かめる方法はありますか。

ホク

API なら、使った分だけの支払いで同じモデルを呼べます。次の章で、1回の依頼がいくらかかったかを書きます。

うちの人数だと? をAIに聞く

出力100万トークンは条件つき。ふつうの呼び出しは6万5,536トークンまで

発表では、Argon の出力の上限が従来の6万4千トークンから100万トークンに広がったと書かれています。トークンは、AI が文章を数える単位です。

ただし、API の長い出力の文書(10月14日に確認)によると、ふつうの呼び出しでの出力は6万5,536トークンまでです。それを超える長い出力は、呼び出しをバックグラウンドで実行する設定にして、出力の上限を6万5,536より大きく指定したときだけ使えます。

i-Style も10月14日に確かめました。バックグラウンドにせず、出力の上限を10万トークンにして短い依頼を送ると、0.6秒で断られ、バックグラウンドにするよう案内するエラーが返ってきました。長い出力そのものは、この日は試していません。短い作業なら6万5,536トークンで足りるので、次は実際に API で流して費用を見ます。

もう1つ、100万トークンは入力と考えた分と出力を合わせた枠です。文書では、入力、考えた分(思考)、出力が1つの枠、1,048,576トークンを分け合うと書かれています。長い資料を読ませるほど、出力に使える分は減ります。

Ultra なしで試せる API では、考える深さで1回の費用が約13倍違った

必要なのは、有料の API の枠(無料の枠では使えません)と、モデル名 gemini-4-argon の指定です。i-Style は、すでに持っていた有料の API キーで10月14日に呼び出せました。課金設定やキーの発行の手順そのものは試していません。最初の依頼は、社内で実際にある短い作業が向いています。

Argon には、答える前にどれだけ考えるかを決める設定があり、低・中・高の3段階です(文書では中が標準)。i-Style は10月14日の午前に、有料の API キーで、Python の短い関数のバグを直す日本語の依頼を、低と高で1回ずつ出しました。

考える深さ かかった時間 入力 考えた分 出力 費用
低6.3秒890103約0.0012ドル
高36.2秒891,479119約0.016ドル

トークンの数は API が返した値です。費用は、導入価格の入力100万トークンあたり2ドル、出力10ドルで計算しました。料金表には、出力の単価に考えた分も含むと書かれています。

差は、考えた分でした。低では0トークンでしたが、高では1,479トークンを使い、出力の10倍以上になっています。時間は約6倍、費用は約13倍です。同じ長さの依頼を1,000回流すと単純計算で、低が約1.2ドル、高が約16ドルです。

答えの中身にも差が出ました。どちらも本来のバグ(合計を、0を除いたリストではなく元のリストで計算していた点)を直しました。高は、さらに全部が0のときに割り算ができなくなる点も防ぎ、0を返す形にしています。0を返すのが正しいかは仕様しだいなので、人が確認する前提の提案です。

測ったのは各1回で、この依頼だけです。毎回同じ結果になる保証はなく、難しい作業での差は試せていません。目安としては、短い確認は低で足り、深く考えさせたい作業にだけ高を使う、と使い分けると費用が小さくなる可能性があります。今回の結果から言えるのは、この短い依頼では低のほうが費用が小さかった、というところまでです。

導入価格は11月30日までです。Google の料金表(10月14日に確認)では、12月1日から入力4ドル・出力20ドルになり、上の費用はすべて倍になります。料金は変わることがあるため、契約前に公式の料金表で確かめてください。

AI が書くコードの35%増は Google の自社測定。公開事例では、ルールを書いたファイルと目標を保つ機能を足すと結果が変わった

費用が分かっても、得られる効果が見合うかは別の話です。Google が出している効果の数字を確かめます。

Antigravity の公式 X アカウントの投稿は、Google 自身のコードで試した結果として、AI が書くコードの量が35%増え、提出後に取り消される変更が30%減ったと伝えています。発表の記事では、期間は直近の数週間で、増えたのは AI が出したコードの提出数、減ったのは提出後に取り消された変更の数で、発表の記事は、30%減にあたるおよそ3分の1と書いています。

どれも Google が自社のコードで測った数字で、第三者の測定ではありません。中小企業のコードに同じ割合で当てはまるとは言えません。

参考になるのは、Google が公開した事例の詳細です。約20万行の Python の公開ソフトで、Argon を一晩動かして処理の遅い所を直させました。

1回目は、ソフトの作り手のルールを何も渡さず、目的を1段落で伝えただけです。約2時間で本物の改善点は見つけましたが、作り手の流儀を知らないために、公開している仕様を変えてしまい、動かしたテストも関係する216件だけでした。

2回目は、作り手のルールを書いたファイルを先に渡し、目標を保ったまま動き続ける機能(/goal)も使いました。変えたのは3つで、ルールのファイル、/goal、人が確認してから取り入れる形で変更案を出すよう求めた指示です。約11時間動き、1万6,892件のテストをすべて流し、確認を待つ形の変更案を出しています。

出てきた改善案は6つで、実際に取り入れたのは2つ(セッション履歴の複製を減らす、起動時の読み込みを遅らせる)です。残り4つは、人が見て却下しました。

公開されているテストが全部通った変更でも、Google 社内のテスト対象25件が落ちたものがあり、読み込みを遅らせる別の形に直して取り入れました。事例の書き手は、AI が案を広げ、人が削る分担だと説明しています。この事例が示すのは、案は AI が出しても、採用の判断と社内の確認は人に残ることです。

マメ

うちはコードを見られる人が1人だけです。夜に任せて、朝に差分だけ見る形でも回りますか。

ホク

Google の例でも、6つの案のうち4つは朝の確認で外されました。回る条件は、先にルールを書いたファイルとテストがあること、取り入れる前提にしないことです。

マメ

テストが少ない古いシステムだと、どうなりますか。

ホク

この事例は1万6千件を超えるテストがある場所での話です。テストが少ない所で同じ結果になるかは、公式の資料からは分かりません。

テストが少ないと? をAIに聞く

まとめ:まず API で数時間試し、Antigravity が要る人だけ Ultra を月単位で

Antigravity で Argon を使うには Ultra か企業向けの契約が要り、Pro 以下では選べません。Argon そのものを試すだけなら、API の有料の API キーがあれば今日から動かせます。

試す順番としては、まず API で、自社で実際にある短い依頼を考える深さの低と高で流し、時間と費用を記録します。その数字を持ったうえで、Antigravity の夜通しの作業が要る人がいるかを考えます。

Ultra は、必要な人にだけ契約するのが無駄の少ない形です。契約の条件は Google の案内で確かめてください。i-Style では、Google が公開した1件の事例を見るかぎり、Ultra を契約する前に、渡すルールのファイルとテストの有無を確かめておく価値があると考えています。この1件だけで一般化はできません(ルールのファイルだけが効いたとも言えません)。

Ultra には14,500円と32,000円の2段階があり、Antigravity の文書は段階を分けて書いていません。契約する前に、選ぶ段階で使えるかを Google の案内で確かめてください。API の導入価格は11月30日までなので、試すなら11月中が割安です。Argon の性能の数字や、Argon がいつ使えるかの経緯は、9月30日の発表を整理した前の記事に書いています。

確かめた資料と、10月14日に試せなかったこと

発表は、Antigravity の公式 X アカウントの投稿(協定世界時10月13日16時8分、日本時間では14日1時8分)から取りました。

提供の範囲は、Google の発表記事、Gemini アプリの記事、Antigravity のモデルと料金の文書、API のモデルの文書と料金表、長い出力の文書を10月14日に開いて照合しました。事例は Google の開発者向けブログから取り、報道は Ars Technica の記事を補助に使っています。

試せたのは、API での呼び出しと上限の確認までです。API のモデル一覧が返す出力の上限(3万2,768)は文書の表と合わなかったため、文書の数字を採用しています。試せなかったことは3つあります。1つめは、Antigravity での Argon です。i-Style の Mac で Antigravity CLI のモデル一覧を出したところ、並んだのは6つで、Argon はありませんでした。内訳は Gemini 3.8 Flash(3段階)、Claude の 4.6 系2つ、GPT-OSS で、公式の表の無料・Plus の行と同じ顔ぶれです。

2つめは、Ultra の契約です。3つめは、長い出力とほかのモデルとの比較です。これらは試していないので、実測としては書いていません。

i-Styleに相談する

i-Styleの「まるっとAI」では、AI活用支援のひとつとしてお手伝いできます。始めやすいのは次の2つです。1つは、社内の依頼を実際に API で流し、時間と費用の目安を出すこと。もう1つは、AI に渡す作業のルールのファイルを、自社の流儀に合わせて書くことです。

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i-Style のブログを書いています。新しい AI ツールを実際に業務で動かして、条件と数字、 うまくいかなかったところまで載せます。ホクは i-Style の AI キャラクターです。 記事の内容は株式会社i-Style が確認しています。 会社のことは会社概要、 経営についての考えは代表ブログに書いています。