「Claude Code に長い作業を頼むと、パソコンを閉じられない」。そのたびに、つけっぱなしで帰るかを迷います。
Anthropic は日本時間9月24日、Claude Code を同社のサーバーで動かす「クラウドセッション」を正式版にし、Pro に100ドル、Max に250ドル分のクレジットを配りました。
先に答えると、GitHub にコードを置いている会社なら受け取る価値があります。ただし、手元のパソコンに積み上げた設定はクラウドへ持っていけず、受け取る前には条件も読んでおく必要があります。ここに書くのは、9月24日に公式の告知と文書を確かめ、i-Style の設定を数え、中身のほぼ無いリポジトリを1つクラウドへ送って試した結果です。
先にまとめ
クラウドセッションは、パソコンを閉じても Claude Code が Anthropic のサーバーで動き続ける仕組みです。2025年10月からの試験公開を終え、日本時間9月24日に正式版になりました。
クレジットは Pro が100ドル、Max が250ドルです。受け取りは日本時間10月8日(木)15時59分まで、使用期限は11月5日(木)16時59分です。使い道はクラウドセッションに限られます。
手元のパソコンにだけある設定は、クラウドでは使えません。i-Style では、個人用のスキル(Claude Code に覚えさせた作業手順)116本も、個人用の指示書(Claude Code が毎回読む CLAUDE.md)も、手元で個人用に足した外部サービスとの連携6件も、クラウドへは持っていけませんでした。手元の設定のうちクラウドでも使えるのは、リポジトリ(コードや関連ファイルをまとめた保管場所)に入れたものだけです。
クラウドセッションは、Claude CodeをAnthropicのサーバーで動かす仕組み
Claude Code は普段、自分のパソコンの中で動きます。クラウドセッションでは、Anthropic が用意した仮想のパソコン(仮想マシン)の中で動きます。作業は向こう側で進むので、手元のパソコンを閉じても止まりません。
告知が挙げる入口は4つです。ブラウザの claude.ai/code、スマホの Claude アプリの「Code」タブ、デスクトップアプリで「Cloud」を選ぶ方法、ターミナルで claude --cloud と打つ方法です。どこから始めたセッションも同じ一覧に並び、別の端末から進み具合を見たり、指示を足したりできます。
告知によると、始めるには GitHub との接続が必要です。公式文書では、GitHub に置いていないリポジトリも、ターミナルから手元の中身を送れば動かせるとしていますが、作業の結果を書き戻せるのは GitHub だけです。
仕組み自体は新しくありません。2025年10月20日に「Claude Code on the web」の名前で試験公開されたもので、正式版では呼び名がクラウドセッションに変わりました。9月17日に試験提供が始まった Projects(複数の作業をまとめて進める機能)も、中で動いているのはこのクラウドセッションです。
告知と公式記事の追記が挙げている変化は、呼び名のほかに、試験公開の扱いが外れたことと、試すためのクレジットが配られたことです。クラウドセッションそのものは、Pro・Max・Team の契約者と、Enterprise で Claude Code を使える契約の人が使えます。
マメ
うちは4人で、Claude の Pro を2人分払っています。コードは GitHub に置いていますが、Claude Code を使っているのは1人だけです。関係ありますか。
ホク
Pro のアカウント1つにつき、100ドル分のクレジットが1回つきます。ただしクラウドセッション専用です。Claude Code を使っていない方が受け取っても、使い道がありません。
マメ
使っている1人が受け取れば足りますか。
ホク
はい。受け取りは日本時間10月8日の15時59分までで、使えるのは11月5日までです。受け取ったあとに1本、試しにクラウドで動かしてみてください。
クレジットはPro 100ドル・Max 250ドル。受け取りは日本時間10月8日15時59分まで
公式の告知は、X の開発者向けアカウント(ClaudeDevs)の投稿と、同じスレッドの続き3件です。額は Pro が100ドル、Max が250ドルで、今の契約者に1回だけ配られます。受け取り方は、告知のリンクを開くか、Claude Code で /claim-credit と打つかの2通りです。
期限は、日本時間で受け取りが10月8日(木)15時59分まで、使えるのは11月5日(木)16時59分までです。告知は米国西海岸の時刻(10月7日と11月4日の午後11時59分)で書かれており、11月1日に米国の夏時間が終わるため、2つの期限で時差が1時間ずれます。
クレジットは1アカウントに1回で、クラウドセッションにしか使えません。告知の画像には、プランに上乗せされ、利用上限の外で使えると書かれています。受け取ったあと、クラウドセッションを始めると自動で使われます。
クレジットの対象として告知が挙げているのは Pro と Max だけで、Team と Enterprise には触れていません。「条件あり(Terms apply)」とも書かれているので、受け取る前にリンク先の条件を読んでください。額と期限の次に気になるのは、使い切ったあとの扱いです。
使い切ったあとは、月額プランの利用上限の中で動く
告知への返信で目立ったのは、料金への疑いです。9月24日の朝に取得できた、ほかの利用者からの返信34件のうち15件が、料金や使った量に関する質問・不満・要望でした。「前は無料だったのに有料になったのか」「使い切ったらどうなるのか」といった内容です。
公式文書によると、クラウドセッションに専用の料金はかかりません。チャットや手元の Claude Code と同じ利用上限を分け合う形で、仮想マシンを動かす費用も別に取られません。何本も同時に走らせると、そのぶん上限に早く達します(9月24日確認)。
クレジットは、この上限の外側に置かれた予備にあたります。告知は、手元で上限に達しても、クレジットが尽きるまでクラウドで続けられると書いています。
ただし、クラウドの利用が最初からクレジットで賄われるのか、月額プランの枠を使い切ってからクレジットに移るのかまでは、告知に書かれていません。公式文書には、このクレジットの記載自体がありません(9月24日確認)。配られたクレジットを使い切り、さらに月額プランの上限も超えて続けたいときは、設定画面で従量課金(使った分だけ払う追加の枠。公式の呼び名は usage credits)を別に有効にします。ここまでが料金の話で、次はクラウドで何が使えるかです。
手元の設定は持っていけない。i-Styleでは個人用のスキル116本がクラウドで使えなかった
クラウドセッションは、GitHub のリポジトリを新しく複製したところから始まります。リポジトリに入れたものは使えますが、自分のパソコンにしか無いものは使えません。公式文書の一覧から影響の大きいものを抜き出し、i-Style の手元の数を並べました。
| 置いている場所 | クラウド | i-Styleの手元(9月24日) |
|---|---|---|
| リポジトリの指示書・スキル | 使える | ブログ運用のリポジトリにスキル14本 |
| パソコンの個人用スキル | 使えない | 116本 |
| パソコンの個人用の指示書 | 使えない | 84行と、ルール12ファイル701行 |
| 個人用に足した外部連携 | 使えない | 6件(リポジトリ側は0件) |
| ブラウザでログインする認証 | 使えない | — |
i-Style では、仕組みの大半が個人用の置き場所にありました。ブログ運用のリポジトリにはスキルが14本あります。ただ、スキルが作業中に読むナレッジやスクリプトは、リポジトリにはショートカット(別の場所を指す目印)を入れているだけで、中身は Mac の中にあります。クラウドに複製しても、ショートカットの先には何もありません。
公式文書は、個人用のスキルや外部連携を使いたいならリポジトリに入れるよう案内しています。claude.ai のアカウントで有効にしたスキルは、クラウドでも自動で読み込まれます。claude.ai 側の外部サービスとの連携(コネクタ)も、セッションで有効にすれば使えると公式文書にありますが、i-Style では試していません。社外に出したくない手順や、特定のパソコンでしか動かない仕組みをリポジトリへ移すかどうかは、1つずつ決めることになります。
空に近いリポジトリを1本送ると、約8秒で動き出し、許可していないサイトには届かなかった
実際に1本送りました。9月24日の9時24分、Mac の Claude Code 2.1.281 から、説明書きのファイル1つだけを置いたリポジトリで claude --cloud を実行しています。GitHub につないでいないリポジトリなので、手元の中身をまとめて送る方式で動きました。
頼んだのは、環境を調べるコマンドを順に打ち、3分待ってから時刻を出す作業です。フォルダを信頼するかの確認に答えてから、クラウド側の受け付けが表示されるまで約3秒で、手元のコマンドはそこで終わりました。クラウド側はその約8秒後に動き出し、3分の待ちを含む作業を約187秒で終えています。
試してみると、中身は公式文書の目安とほぼ同じでした。Ubuntu 24.04、4コア、メモリ約15GB(公式文書の目安は16GB)、空きディスク30GBで、Claude Code は手元と同じ 2.1.281 です。通信は、Python のライブラリの配布元(PyPI)には届き、example.com と i-Style のサイトには10秒待っても届きませんでした。既定の設定では、許可リストにあるサイトにしか出られないためです。
クラウド側の個人用の設定置き場を見ると、前の章で数えた個人用のスキルは1本も入っていませんでした。結果は claude --teleport でセッションを手元に引き戻して読んでいます。
つまずいたのは起動のしかたです。claude --cloud は対話できる端末の中でしか起動できず、スクリプトからそのまま呼ぶと「対話できる端末が必要」と表示されて止まりました。i-Style では、端末を模す道具を挟んで起動しています。決まった時刻に自動で走らせたい場合は、公式の定期実行の仕組み(routines)を使うことになります。
試したのは、中身のほぼ無いリポジトリ1本です。大きなリポジトリや、ライブラリを入れる準備の手順がある場合は試していません。公式文書によると、準備の手順はその環境を初めて使うときに動き、2回目からは結果を保存した状態で立ち上がります。パソコンを閉じての試験はしておらず、手元のコマンドが終わったあともクラウド側だけで作業が進んだ、というところまでを確かめました。この結果を踏まえて、手元のパソコンや Remote Control との分け方を整理します。
マメ
夜のうちに、問い合わせフォームの直しを頼んでおきたいです。直したものを公開してよいか決められるのは、社長1人です。
ホク
クラウドセッションは、区切りがつくと GitHub に作業用の枝(ブランチ)を上げます。本番に取り込むかどうかは、朝に社長が差分を見て決められます。
マメ
夜中に勝手に本番が変わることはありませんか。
ホク
取り込む操作をしなければ、本番のコードは変わりません。ただ、「自動修正」には気をつけてください。GitHub に付いたコメントや自動テストの失敗を見て Claude が直し続ける機能で、有効にすると社長の GitHub アカウントの名前でコメントに返信します。コメントをきっかけに公開が動く設定があるなら、自動修正は使わないでください。
リポジトリだけで終わる作業はクラウドへ、パスワードが要る作業は手元へ
公式文書の比較表は、Claude Code の動かし方を3つに分けています。クラウドセッション、手元のパソコン、そして手元のパソコンで動く Claude Code をスマホやブラウザから操作できる Remote Control です。選ぶときに効く行だけを抜き出しました。
| クラウドセッション | 手元のパソコン | 手元+Remote Control | |
|---|---|---|---|
| 動く場所 | Anthropicの仮想マシン | 自分のパソコン | 自分のパソコン |
| 接続が切れたら | 動き続ける | 止まる | 手元で開いている間だけ動く |
| 手元の設定 | リポジトリの中だけ | 使える | 使える |
| GitHub | 必要(手元の中身を送る方法もある) | 不要 | 不要 |
i-Style では、開発の主な作業を Mac mini で行い、24時間動かす自動化は借りているサーバーに置いています。今回数えたとおり、ブログ運用の仕組みの大半はその Mac の中にあるので、そのままクラウドへ移すことはできません。
クラウドに向くのは、リポジトリだけで終わる作業です。自動テストで失敗した箇所の修正、使っているライブラリ(プログラムの部品)の更新、説明書の書き直しのように、パスワードや社内の管理画面を使わない仕事なら、パソコンの電源を気にせず任せられます。
外部サービスの鍵(APIキー)は、Pro・Max なら環境に登録してクラウドから使う仕組みが公式文書にありますが、i-Style では試していません。パスワード管理ソフトからその場で取り出すパスワード、ブラウザでのログイン、社内ネットワークの中の機器が要る作業は、手元に残すほうが確実です。外出先から手元の作業を見たいだけなら、Remote Control で足ります。
まとめ:受け取りは10月8日まで。最初の1本はリポジトリだけで終わる作業に
Claude Code を使っていて、コードを GitHub に置いている会社なら、リンク先の条件を読んだうえで、クレジットを受け取っておく価値があります。受け取りの期限は日本時間10月8日(木)15時59分、使える期限は11月5日(木)16時59分です。
最初にクラウドへ任せる1本には、リポジトリだけで終わる作業を選んでください。i-Style の試走でも、クラウド側には手元のスキルがありませんでした。配られたクレジットを使い切ったあとは、クラウドセッションも月額プランの利用上限の中で動きます。何本も同時に走らせる前に、上限までの残りがどのくらいの速さで減るかを確かめておくと安心です。
自社サイズの一歩としては、Claude Code で普段使っている設定を、リポジトリに入っているものと入っていないものに分けて数えてみることです。入っていないものが多い会社ほど、クラウドに任せられる範囲は狭くなります。
確かめた資料は公式の告知・公式文書と、手元の試走1回
告知は ClaudeDevs の X 投稿(米国時間2026年9月23日)と同じスレッドの続き、仕組み・制限・料金の扱いは公式文書 Use Claude Code in the cloud・Configure cloud environments・Get started with Claude Code in the cloud で確認しました(2026年9月24日)。正式版になったことと対象のプランは 2025年10月20日の公式記事「Claude Code on the web」の冒頭の追記(2026年9月23日付け)、従量課金の枠は公式文書 Manage costs effectively で確かめています。本文の日本語は原文の要約で、逐語訳ではありません。
9月24日の朝に TechCrunch・The Verge・VentureBeat などを検索した範囲では、この正式版を扱った記事は見つかりませんでした。Projects の発表は claude.com のブログ(9月17日)にあります。
試走は、同じ日に macOS の Claude Code 2.1.281 から1回だけ行ったものです。クレジットの額・期限・対象は発表直後で変わることがあります。受け取る前に、そのときの告知と条件を確かめてください。
i-Styleに相談する
i-Styleの「まるっとAI」では、AI活用支援のひとつとしてお手伝いできます。Claude Code の作業のうちクラウドに任せられるものの仕分けと、リポジトリに入れる設定の整理。この2つから始められます。
お問い合わせページへ arrow_forward相談するほどではない段階なら、右下のチャット窓口で「どの作業からクラウドに任せるか」を決めるところからでも十分です。